京都府警会見でのあまりにバカな質問と、それに何の疑問も感じないバカ

京都府で起きた殺人事件で、別の事件(窃盗)で実刑判決を受けて服役中の人が逮捕された件での京都府警の記者会見の映像をテレビニュースで見て、これはあまりにバカだと思った。あまりバカバカ言うのはそれこそバカっぽいが、本当にバカだと思ったので敢えて。

この事件は別件逮捕での家宅捜索など、捜査段階からちょっといろいろな要素のある事件であり、逮捕に至ってなお確たる証拠が出ていないのでは?などとされているが、それはこの際どうでもよい。いや、全然どうでもよくないのだが、内容が後景にかすんでしまうほどの驚愕の質問?が記者から飛び出た。

私が見たのはNHKのニュースウォッチ9だが、フジテレビでも同じ映像を使っていたようで(見慣れた光景だが考えてみるとこれは異常なのだ)、動画があがっていたので貼っておく。
ニュースJAPAN
問題箇所はだいたい2分30秒前後から。

警察「認否は、認めておりません」
(編集されているが、NHKのでは「証拠は…」「コメントを差し控え…」という質疑応答が3つぐらい挟まっていたように記憶している)
警察「ビデオの関係につきましてはですね、今後の捜査にかかわってくるもんですから、えーコメントを差し控えていただく、ということで…」
記者「ノーコメントの繰り返しばかりで、本当に証拠は固まったのか。我々は信じていいんでしょうか
警察「警察はですね、やるべき捜査を十分に尽くしてやりました」

何じゃそりゃ。
我々は信じていいんでしょうかって。
それは「ねえあたしのこと本当に好き?」というのと同じくらい意味のない質問だ。警察に「我々を信じてください!」とでも言われれば信じるのか。カップルの会話ではない。公権力とそれを監視すべきものとの、公式の質疑応答の場なのだ。

しかしここで本当に問題とすべきは質問した一人のバカではない。
この異常を異常と感じることのできない、公権力を監視すべきものの末期の姿なのである。これは編集されて放送されているものだ。途中のチェックが漏れていたのではない。テロップが入っていて、かつ一番最後に入っていることからも分かるように、事前にしっかり練ってこの有様なのだ。

裁判員制度を来月に控え、国民に過度の予断を与えるような報道を慎むとか何とか言っていたような気がするが、過度の予断を与える以前に自分たちが過度の予断を持ってしまっているという事実に、遅ればせながらも今すぐに気づくべきだ。