どうしようもなく加害者でしかないのが悔しい

結局僕の身の回りで電気が止まることはなく、「計画停電」1日目は終わった。JR品川駅はいつものようにエスカレーターが稼働していて、乱れたダイヤで疲れた人々を階下まで運んでいた。今日の今日はさすがにエスカレーターを利用する気になれず、階段を降りながら、どうしようもなく自分は加害者なんだと思った。

 東電によると、14日に計画停電を実施したのは、茨城県南東部の鹿島変電所と、静岡県北部の岳南変電所の送電エリア。前日に示した「第5グループ」のなかに属する変電所で、東電によると、あらかじめ決めていた送電を止める順位の1位と2位だったという。

計画停電に被災地 「被災状況の考慮不足」と東電陳謝

被災地であるかどうかというよりも、この期に及んで東京が、首都圏が優先されるという事実になんともいえない気持ちになりながら、今日もどこかの人々がリスクを負っているのと引き換えに動く電車に乗って家に帰った。

原発のニュースを見て、首都圏に住む僕の生活は、こうしてリスクを背負った人々を踏み台にして成り立っているんだとつくづく思った。東北地方であるあの地で作られていた電気は東京電力のものなのだ。そして、そうした<彼らの>リスクがこのように見える形で提示されてもなお、僕は「明日うちは何時からかなー」と、相変わらず自分に降りかかるリスクだけを気にする。そりゃそうだ。そりゃそうだけど。

 第5グループでも、すべての地域で計画停電が行われたわけではない。企業には東電から詳しい場所の連絡がなかったため、無駄な労力が費やされた例も多い。

計画停電二転三転、企業は大混乱「手打てぬ」「頭痛い」

節電することは無駄な努力ではないと思うし、計画停電の対象から外れるということは、電気をたくさん使ってもいいという意味では決してないと思う。