市民が死刑判決にかかわることに63%の人が反対、という無自覚、無責任

 毎日新聞が24、25の両日に実施した全国世論調査(電話)で、5月から始まる裁判員制度について聞いたところ、市民が死刑判決にかかわることに63%の人が「反対」と回答し、「賛成」は28%にとどまった。

http://mainichi.jp/select/today/news/20090128k0000m040080000c.html

調査についての詳細が書かれていないので記事だけで判断することになるが、はっきり言って自覚が足りなすぎるのではないか。

「自覚が足りない」のは、これからもし裁判員に選ばれたら死刑を選択することがあるかもしれない、ということに対してではない。

私たち市民はすでに死刑判決にかかわっているという事実に対して、である。

 内閣府が04年に実施した世論調査では、死刑存続を認める意見が8割を超えたが、プロの裁判官による判決を前提とした結果だ。

法務省はこうした市民の声に応えて、国連で叩かれても死刑制度を維持し、むしろ積極的に死刑制度を運用している。もちろん、死刑廃止が世界の潮流であろうがなかろうが、民主主義国の政府が民に支持されることをするのは当然である。
ここで責められるべきは「市民」のあまりに厚顔無恥な態度である。死刑は存続してほしい、でも自分はやりたくない、という態度だけでも相当無責任なのに、自分の支持によって成り立っている死刑制度に、あくまで自分はかかわっていないというのである。これはもうひどい。


とはいえ、内閣府の調査と毎日の調査では、対象が違うしやり方も(おそらく)違う。そこで、この「63%」の市民に向けて、私からアドバイスを。

国民から選ばれた裁判員は有罪・無罪だけでなく量刑も判断し、事件によっては死刑を選択するケースもあり得る。

選択しなければいいんですよ!
裁判員に選ばれたのに正当な理由なく忌避することは罰則規定つきで禁止されているが、そこでどんな判決を選択するかは完全に自由。
人を殺したくないのなら、殺さないほうを選択すればいいのです!