ホームレスに人権がないなんてただの屁だよ

もはや理屈でもない。
ホームレスに人権があるだなんてただの屁理屈だよ - よそ行きの妄想

…釣りですよね。弱小証券会社で馬車馬のごとく働かされ、妻は最近子どものことばかり、鬱憤晴らしに昼下がりから釣りしてただけですよね。思わぬ釣果に明日からの活力が湧いていることでしょう。いい夏の思い出になりましたね。

さて、それでは釣られ行為を楽しむか。

いや、まさにそういう誤解を誘発するためだけにこのタイトルをつけたので、あまりきついことは言えませんが、「ホームレスに人権がない」ということは一切主張していないはずです。そもそも人権の定義すら明確にしていない。

コメント欄。釣り宣言。
だが「ホームレスに人権があるだなんてただの屁理屈だよ」と宣言しておいて「「ホームレスに人権がない」ということは一切主張していない」というのは痛い。
「そもそも人権の定義すら明確にしていない」?してるじゃん。「権力を維持するための、ただの手段」なんでしょ? 書いてある真下で書いていないと主張するのは痛すぎ。中二的ポジションを目指しているらしいが、頑張ってそこまで辿り着いてほしい。今のままでは中学二年生に失礼だ。

確かに国家は会員制のスポーツクラブではないが、福祉施設でもない。ただの権力だ。国家による生存権保障っていうのは権力を維持するための、ただの手段だよ。それが世の中の真理だから国家はそうせざるを得ないのではなくて、それが権力を維持するのにたまたま都合がいいから利用しているだけ。

単に憲法に書いてあるからという理由でホームレスの人権を主張する

何か根本的に勘違いしている人が少なくない*1のであえて確認するが、憲法は私たち向けに書かれたものではない。国家向けに書かれたものだ。主権者である日本国民が「ただの権力」である日本国に対し、この通りにやれよ、と書いたものなのだ。
なので、生存権はもともと存在しているものであり、国家に保障されてはじめて存在しうるものではない。ただ「世の中の真理」として、もともと存在している生存権はそのまま放っておくと容易に脅かされるから、そしてその「脅かす」のは一番に「ただの権力」である国家だから、ちゃんと保障してくれよ、と書いているのである。これが憲法25条の生存権であり、「権力を維持するのにたまたま都合がいいから利用しているだけ」なわけない。あり得ない。悲しいことに現にそうなっていると感じられる場面もあるが(言及元の元エントリはまさにその例)、それは決して肯定されてはいけない。

国家がホームレスを承認するということは、単に経済学的にフリーライドの問題を生むだけにとどまらず、ホームレスの排除によって成り立っている社会秩序を崩壊せしめ、その社会の構成員の生を奪う側面を持つ。

ホームレスの排除によって成り立っている社会秩序?
んなもん壊れろ。
正確には、

排除されても排除されても何も言わず、ただどこか雨風しのげる場所でジッとしていて、それさえも認められず、それでもほとんど声を上げることもなく、ましてや「その社会の構成員の生を奪う側面」を見せることもなく、そういうホームレスの高い倫理規範によってかろうじて表向き成り立っている社会秩序、

である。
近年、生活していてよくホームレスを見かけるようになったが、彼らのしていることと言えば、空き缶拾いか、あるいはただ歩いている、立ち止まっている、寝ている、ぐらいである。コンビニに入って窃盗したり路上で非ホームレスの人を襲ったりするところは見たことがない。

正直、すごいと思う。
住む家を失い、社会に追い出されてまで、彼らは可能な限り社会の規範を守ろうとする。
私にはできそうもない。
でも、「ただそこにいる」だけで、不快になったり、果ては

あと、一部地域では深夜時間帯に100円コーヒーでそのままたむろするホームレスな人がいるとかで、治安面で不安に思っている人もいるそうです。

最近マクドナルドに感じる味と値段以外の不満 - 空気を読まない中杜カズサ

あいつらが何したっていうんだ。そこにいるだけじゃないか。
そこにいるだけでキモイから失せろって奴。
お前うざいからすべての公共空間から消えろ。このウェブ上からも。

って言われたらどう思うか、考えろ。

全然関係ない追記

この前のエントリが30個目ということで、めでたくはてなダイアリー市民になっていた。
先輩諸氏、よろしくお願いいたします。

*1:話が全然違うが、こういう状況で憲法改正論議するのは国民的議論が足りない以前に国民的基礎知識が足りないと思う。