将棋ソフトがアマトップに一発入れる

第18回世界コンピュータ将棋選手権で優勝した「激指」と準優勝の「棚瀬将棋」が、エキシビジョン対局においてアマ名人の清水上徹氏、朝日アマ名人の加藤幸男氏にそれぞれ勝利した。
結果
エキシビジョン対局の棋譜

今回のルールが

  • 持ち時間それぞれ15分、使い切ったら1手30秒以内(参考:アマ名人戦の持ち時間は40分切れ30秒)
  • 公開対局である(静かに指す以上に人間にはプレッシャーが掛かるはず)

と、ソフト寄りであることを考慮に入れても、内容的にも快勝と言える*1。今回の勝利のインパクトは大きい。


2年前の時点で

 5月のコンピュータ将棋選手権優勝を受けて朝日アマ名人の加藤幸男さんとボナンザの平手戦が企画された。プロ相手には厳しくともアマトップとならばいい勝負をするのではないか、というのが主催者の目論見だった。
 ところが実際に戦ってみると、ボナンザは加藤さんにはまったく歯が立たなかった。

渡辺明竜王に言わしめた将棋ソフトが、その後わずか2年でアマトップに「一発入れる(同書で保木さんと渡辺竜王との対談中に使われている表現)」日が来た。


きっと、来年はもう少し人間が力を出しやすいルールに改定され、しかし1年のうちにまたソフトは急成長し続けるはず(もちろん人間も成長するはず)なので、全然ダメ、ということになればいよいよプロの出番ということになるだろう。


いち将棋ファンとして、大いに楽しみである。




蛇足。

敗れたのは人間全体ではなくまだアマトップであるということ、それもまだ勝負付けが済んだわけではないことなどを考慮すると、ちゃんと「タイトルは釣りです」って書いておかないと。朝日さん、読売さん。

*1:24のレーティングで5級程度の私ごときが、なんて上から目線