終身刑ならいいってのは違うと思った

死刑制度には反対するけれど - モジモジ君の日記。みたいな。を読んで、

僕の死刑反対論は、基本的には終身刑という刑が存在することが前提。

ここでの「終身刑」は「無期懲役ではなく」という意味が含まれていることから、「仮釈放なしの」終身刑という意味だろう。
条件付き死刑廃止論でよく見かける主張…というよりこの記事を最後まで読むまで、私自身もそう考えていた。しかしここを読んで考えが変わった。

どんな刑罰であれ、殺さない限りは、被告人を社会に再統合する可能性に開かれている。しかし、死刑はそうではない。死刑は、再統合の断念である。

これ自体もよく見かける主張。
しかし、こうして並べられてはじめて、この論法は破綻していることに気づいた。

仮釈放なしの終身刑もまた「再統合の断念」ではないのだろうか。
実際に殺してはいないものの、社会的にはほぼ(一応、再審請求の道は残されているが)完全に死んでいる。
目の前の女性と子どもを殺した奴を殺すことは罪だが、目の前の女性と子どもを殺した奴を社会から永久追放することは罪ではない、と正直に言う必要がありそうだ。

私はつい先ほど、どうもそうは言えないような気がしたので、仮釈なし終身刑論を捨てることにした。だいたい無期懲役だって平均25〜30年くらいでしょ。今回の元少年*1に当てはめればもう50歳ぐらいになってるわけで。短くは…ないでしょう。

*1:この呼称もアレだが、まあ他に言いようがないし。本名もこそらへんに転がっているけど、実名表記しても普通誰のことか分からない