安田好弘弁護士に大逆転有罪判決

代表して産経。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080423/trl0804231356005-n1.htm

 旧住宅金融専門会社住専)の大口融資先だった不動産会社に資産の差し押さえを免れるように指示したとして、強制執行妨害罪に問われた弁護士、安田好弘被告(60)の控訴審判決公判が23日、東京高裁で開かれた。池田耕平裁判長は、1審東京地裁の無罪判決を破棄し、罰金50万円(求刑懲役2年)の逆転有罪を言い渡した。

 判決によると、安田被告は、不動産会社社長(72)=懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決確定=らと同社の所有するビル2棟の賃料の差し押さえを免れるため、平成5年3月〜8年9月、ビルをダミー会社に転貸したように装い、計約2億円を隠した。

 安田被告が、ビルを別会社に転貸して賃料を移し替えるというスキームを考案したことには争いはない。控訴審では、このスキームが強制執行を免れる目的で提案されたものか否か▽社長らとの共謀の有無−などが争われた。

 検察側は、安田被告が提案したビルの転貸は「結果的に強制執行妨害を生じさせることは明らかで違法」と指摘。共犯者の供述などからも「共謀が認められる」と主張していた。

 一方、弁護側は1審の約1200人を大きく上回る約2100人の弁護団を結成。1審同様に「事件は捜査当局が作り上げたもの」などと無罪主張していた。

 安田被告は、22日に広島高裁で死刑判決が言い渡された山口県光市の母子殺害事件など多くの刑事事件で弁護人を務めているほか、死刑廃止運動の中心的存在としても知られる。


この事件については魚住昭さんの特捜検察の闇 (文春文庫)が詳しい。
2003年のものなので、一審当時の様子が詳しい。ぜひ手に取っていただきたい。


しかし何というか、日本は法治国家を名乗るのをやめるときが来たようだ。
検察、裁判所もこんなことばかりやってると見放されるよ…


と書きかけて止まる。
そうだ。見放されていない。それどころか、支持されている。熱狂的に。
押されるように、「罪刑国民感情主義」とも呼べるような雰囲気が醸成されつつある。
昨日の判決について日経の社説がもうホントにひどい。末尾抜粋。

 死刑は憲法が禁止する「残虐な刑罰」にはあたらない、との判断を初めて下した48年の最高裁大法廷判決には「ある刑罰が残虐であるかどうかの判断は国民感情によって定まる」との補足意見がついている。

 これを敷衍(ふえん)すれば、死刑適用を判断するには、裁判官は専門家の「量刑の適正感」でなく、国民の「何が適正な刑罰か」の感覚をくむべき、といえよう。さらに刑罰全般についても専門家の「適正感」が妥当か一般国民の感覚と常に照らし合わせる必要がある。裁判員制度を始める理由の1つがそこにある。

この最高裁判決での意見は、私の記憶が確かなら、

  • 死刑を是認しているのは制定当時の国民感情を反映
  • 死刑を必要としない時代が来たら国民感情により否定されるだろう
  • でもまだその時期ではない

超訳すると

  • 死刑を残虐というにはまだ民度が低い

と言っているはず。それを厳罰化の方向に持っていく論拠にするとは。日経すごい。びっくりした。一週間お試しキャンペーン申し込まなくて良かった。




でもこれは「マスゴミ」の「メディアスクラム」なのだろうか。
国家による思想弾圧なのだろうか。


違うのではないか。
インターネット上の市井の人たちの盛り上がりを見ても、実態は違うのではないか。
メディアスクラムのもう一枚外側で、スクラム組んでる奴らがいる。


僕らだ。