名護(なご)市長選の夜

新顔・稲嶺氏当選「辺野古に基地造らせぬ」 名護市長選

沖縄(おきなわ)県の名護市長選挙は、既報の通り稲嶺進(いなみね すすむ)さんの当選となったようだ。まずは、安心した。もちろん、これはひとつの地方自治体の首長を決める選挙であり、それ以上の意味はないということは分かっている。しかし、名護市民の皆さんには本当に申し訳ないが、名護市から遠く離れた地に暮らす私にとっての名護市長選は、基地問題についての住民投票という意味しか持たない。


その上で。
安心した、というのは、これで日本政府は「地元の声」を免罪符にできなくなるということに対してだ。日本政府が(あるいは民主党が)昨年夏から今に至るまで結論を先延ばしにしてきたひとつの大きな理由というのが、この「地元の声」への期待であった、と私は勝手に想像している。「地元の声」を利用して、負担だけでなく判断までも押し付けることへの期待。

今回、名護市民はノーの選択をした。つまり名護市はもうプロレスをしないという意志を表明した。それに対して、基地問題に関して観客ではないが名護市長選挙に関してはあくまで観客である私としては、安心した。これからは本当の勝負である。もう観客ではいられない。