強制執行をお涙頂戴に仕立てたマスコミは本当にアホなのか

大阪で芋畑に対して土地収用法に基づく強制執行が行われた、とかいう話。ここで詳説されている。
保育園のイモ畑を潰した大阪府は本当に鬼畜なのか? - 狐の王国
なんかずいぶんあさっての方向から叩かれていて気の毒だけど、それはタイトルで釣った(あさってからの)罰というべきか。タイトルで立場を表明したかのように見せ、実は中身では「大阪府は本当に鬼畜なのか?」について論じていない。おそらく「大阪府は本当に鬼畜なのか」ちゃんと考えようね、でもちゃんと考えようにもこの情報量じゃどうにもならないよ。マスゴミのアホ。というのが主題かと。でも…

天下のマスメディアがこの程度の知識を調べられないはずはないだろう。

これは紙媒体の新聞記事ではなくWeb上のニュースだからあまり詳細には書けない。速報だから。事象を理解する上で必要最小限の情報も押さえられていないと思われるかもしれないが、「ちょいとぐぐっただけでもこの程度の情報は集まる」のなら、それは興味を持った(そしてこのあたりの法律知識等がまだない)人が「ちょいとぐぐ」れば良いのでは、という理屈は成り立つと思うが。
そして今後ググる人はあなたのエントリを見られるのでさらにお互いハッピーなのでは。

やはり今回は産経新聞の記事の作り方に問題があると考えざるを得ない。

まあこの程度の「釣り」はするでしょ。あなたも、私も。こうやって足りない記事出して、フォローしてもらって結果として多くの人に問題を共有してもらう。そこまでの意図はないかもしれない。しかし結果論的ではあるが、このニュースはこうして多くの人の目に触れ、色々な問題を掘り起こして*1くれることとなったわけで。


さて、引用元から離れてこの事件そのものについて言わせてもらうとすれば、やっぱりこれはひどいんじゃないかな。
債務者の意向を無視してもっぱら債権者のために行われるという、強制執行が本来的に持つ「傍目にもひどい感じ」を差し引いても、芋はずっと植えておくものではないし、少々待ってあげても債権者の権利を著しく侵害するほどではないと思う。
またこれは色眼鏡100%だが、どうもあの知事は狙ってイデオロギー的な対立を煽っている(というより、本来イデオロギーだけではない多面的な問題も、すべてイデオロギー的対立という一面に収斂させることで、多数のほうの支持を取り付けている)傾向がある気がしてならない。

*1:芋だけに…。猛烈に書きたくなった。