ブンヤにはビール出さねぇのか、コラ

何がいけないのか分からなかったのだが、

いわば「税金の割り戻し分」を自分のポケットに入れたようなものではないか。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2008060702000121.html

「割り戻し」?

道路運送法(抄)

(運賃又は料金の割戻しの禁止)
第10条 一般旅客自動車運送事業者は、旅客に対し、収受した運賃又は料金の割戻しをしてはならない。
第98条 次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する。
4.第10条(第72条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、運賃又は料金の割戻しをした者

ひとつ勉強になった。


しっかしひどい。もちろん「報道」のほうが。

第一は、公務員の間に、タクシー代金が税金で支払われるという認識が欠如していたのではないかということだ。行政は税金でまかなっているのであり、公費の支払いで対価を受け取ることは、犯罪行為といっていい。財務省は、同省がタクシー業界と利害関係がなく、国家公務員倫理規程で禁止されている行為には当たらないとの見解だが、納税者が納得できる説明ではない

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080607ddm005070160000c.html

何罪にあたるのか、読者が納得できる説明ができないので「犯罪行為」などとお茶を濁しているのだろう。

 第三は、中央省庁の職員の残業問題である。深夜のタクシー利用が多いのは国会への対応などで、勤務が深夜まで及ぶからだ。役人は日付が変わるまで仕事をするのが常識といった悪弊は変えなければならない。

このことの是非は置いておくとして、それは深夜タクシーを使わなければいけないほど残業しているという問題であり、この社説が問題にしているタクシー内での金品授受の件とは直接関係ない。

今後の調査に際しては、金品授受のみならず、タクシーチケットが適正に使われているかも十分、チェックしなければならない。

「も」ではなく、調査すべきはその一点、つまりこの金品授受に当たってタクシー料金の水増しがあったのかどうかだけだと思うのだが。


もっとひどいのは朝日。冒頭は長妻礼賛、末尾は全然関係ない話なので省略。

それにしても、長年にわたりタクシーから金品やキックバックを得ていた神経はどうかしている。多くの者がなじみの運転手をつくり、携帯で呼び出して見返りを得ていたのではないか。なんとも情けない。

http://www.asahi.com/paper/editorial20080607.html#syasetu1

客が役務提供者から何らかの特典をつけてもらえたらそれを受け取るという精神はどうもしていない。「多くの者がなじみの運転手をつくり、携帯で呼び出して見返りを得ていたのではないか」。憶測でよくここまで書けるものである。なんとも情けない。

タクシーが乗客へのサービスを競うのは結構なことだ。おしぼりやポケットティッシュなどをもらって気分がよかった読者も多かろう。

上述したように、これは道路運送法に抵触する可能性があるので、結構なことではないらしい。

役所としてタクシー側と割引契約を結ぶのが筋ではないか。それをせずに個人が金品を受け取ってきたのは、明らかに一線を越えている。税金を懐へ入れていたといわれても仕方がない。

それって法律的にOKなの? いや仮に問題ないとしても、それもまた「タクシー業界と官の癒着」とか因縁つけるんでしょ? マスメディア各社とも同じ契約を交わさない限り。


日経は最初から残業そのものの問題として捉えているので、やや毛色が違う。

そもそも中央官庁では世間一般の勤め人に比べて夜型の人が多い。職位にもよるが、深夜2時ごろ役所を出て、翌朝は10時ごろ席につく人が結構多い。この夜型の勤務を何とかできないものか。

経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版

16時間労働に昼型も夜型もないのでは。米国政府の役人のように午前6時ごろ出勤し、16時間働いて午後10時に帰ればまだ電車で帰れる、ということか。
しかし、毎日もそうだが、中央官庁で働く公務員の深夜残業の原因は国会対策ばかりなのだろうか。[要出典]。


この問題の本当の問題点を整理すると、

  • 道路運送法に違反した「割戻し」行為をしているタクシー側の問題(これは確定)
  • タクシー料金の水増し請求があったかどうか(これは未確定)

だけであり、こういう印象操作に騙されてはいけないよという好例であろう。